【DeNA】CSでの知野のタッチアップ 「マツダの太陽」がチームに未来への希望をもたらした!
10月16日。DeNAが、CSファーストSで広島に2連敗した翌日。広島関係者から記者にLINEが届いた。「知野のタッチアップ、来ないと思いました。ベイスターズは強いですよ。強力打撃陣にあの走塁のような機動力がもっと絡めばカープにも阪神にも負けない力、ありますよ」。記者は驚き、すぐにそのプレーを思い浮かべた。
1―2の7回1死一、三塁。エスコバーに代打・ソト、三塁走者の代走で知野が起用された。ソトは中堅の定位置よりもだいぶ手前、二遊間後方に高い飛球を打ち上げてしまった。誰もが犠飛にならない凡打と見た。だが、知野は本塁に向けてスタートを切った。
知野は「(代走で)三塁にいく時に、太陽の位置は確認しました。レフト、ライトの浅い飛球はだめ。でもセンターならいける。イメトレはできていました」と振り返る。試合はデーゲーム開催。チームの共有事項の一つに「マツダスタジアムの太陽の位置」があった。10月中旬の午後。投手から見て捕手後方の方位がほぼ「西」の同球場は、西陽が野手に直射する。あの時間、中堅への打球はまぶしい。同じ見方で方位が「南南東」の本拠地・横浜スタジアムであれば、この時間は西陽は左翼後方から。野手が飛球を追う際にまぶしくはない。
「(中堅の)秋山さんは(捕球優先で)助走できないと思った。代走で出てあそこで行かないなら何のために出たのか…。高いフライ。まぶしい。だから100%行くと決めた」と知野。三塁コーチを務める田中内野守備走塁コーチも瞬時に「(捕球)体勢が悪かったら行こうか」と背中を押していた。スタート。秋山の捕球にチャージはない。その後の本塁送球もずれた。同点。読み通りの生還に知野はガッツポーズ。田中コーチは「知野も役割をわかっていたので勝算あるスタートだった」と目を細めた。
試合は敗れたが、記者は「来季につながるプレー」だと思う。だから広島関係者からのラインもうれしかった。知野は「僕、実は50メートル5秒7で足は速いんですよ。でもそれを生かすより、今年は1年間1軍にいることで必死だった。来年は走攻守で知野が必要だと言われるようになりたい」と言う。今季最後の試合で、チームの明るい未来を見た。
<ネットの反応>
- 知野ちゃん誉められとる
- 知野ちゃんもええし田中浩康もええ仕事しとるねこれ
ありがたいわ - 走塁ってセーフになれば好走塁、アウトになれば暴走と言われがちだけど、こうやって根拠のある走塁はアウトになっても褒めて欲しいよね。相手チームのカープ側から出た話しっていうのも今年のカープらしいな。
- 知野ちゃんは来年こそ飛躍してヒーローになってほしい