
ア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦が17日(日本時間18日)、クリーブランドのプログレッシブフィールドで行われました。悪天候で延期されていた一戦で、レイズがガーディアンズを7対3で下し、シリーズ通算成績を2勝2敗のタイに戻しました。元日本ハム・ソフトバンクのニック・マルティネス投手が先発として試合を作り、主砲フニオール・カミネロ内野手の適時二塁打などで逆転。ガーディアンズの新鋭トラビス・バザナ(T・バザナ)内野手もオーストラリア出身選手として初のポストシーズン本塁打を記録するなど、見どころの多い試合となりました。今季ともに15勝を挙げた元NPB助っ人同士の投げ合いは、ソフトバンク対巨人戦を彷彿とさせる内容でもありました。
ア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦は、レイズが7対3でガーディアンズに勝利しました。シリーズ通算成績は2勝2敗のタイに戻っています。試合は悪天候で延期された後、17日に実施されました。開始時の気温は7.8度と冷え込む中での一戦となりました。
レイズの先発はニック・マルティネス投手。初回に安打と暴投で二塁に走者を背負い、3番チェース・デローター外野手の右前適時打で先取点を許しましたが、その後は失点を許さず、6回1死(5回1/3)まで投げて2安打1失点3奪三振の内容でした。伝家の宝刀であるチェンジアップが冴え、3回1死から5者連続で凡打(うち2三振)に仕留めるなど安定した投球を見せています。ケビン・キャッシュ監督は「ニックには絶大な信頼を置いている。本当に良い投球だった」「実に良い仕事をしてくれました」と評価。マルティネス投手自身も「すごく緊張していた。初回の失点は理想的ではないが、投げ続けて味方が援護してくれると信じていた」「最も重要な(10月の)試合は寒い中で行われるもの。天候のことなど考えられなかった」と振り返っています。日本ハムとソフトバンクでNPB通算21勝を記録した後、パドレス、レッズを経て今季レイズに所属し、レギュラーシーズンではチーム最多の180回を投げ、自身最多の15勝をマークしていました。
レイズは0対1の3回に2死からヤンディ・ディアス内野手が右中間二塁打で出塁し、2番ヨナタン・アランダ内野手の適時打で同点に追いつきました。1対1の6回には先頭のアランダ選手とチャンドラー・シンプソン外野手が連続四球で出塁し、4番フニオール・カミネロ内野手が左翼線へ適時二塁打を放ち、2対1と勝ち越しました。2対1の7回には無死一、二塁で重盗に成功し、1死後アランダ選手が2点適時打を放ちリードを広げました。右翼手デローター選手が後逸した間にアランダ選手は三進し、シンプソン選手の右犠飛でアランダ選手も生還して5対1としました。9回1死二塁ではディアス選手が右越え2ランを放ち、ダメを押しています。アランダ選手はこの試合で3安打2打点の活躍を見せ、シリーズ序盤に不振だった上位打線(ディアス、アランダ、シンプソン、カミネロ)がこの試合で6安打6打点と爆発した点も特徴的です。
ガーディアンズは先発のショーン・アームストロング投手がオープナーとして登板し、2回から元巨人のフォスター・グリフィン投手が登板。3回2死まで4者連続三振を奪うなど好投しましたが、3回2/3で4安打1失点5奪三振でした。7回にはトラビス・バザナ(T・バザナ)内野手が右越えソロ本塁打(飛距離374フィート)を放ち、ブラヤン・ロッキオ内野手の適時打で2点を返しました。バザナ選手はこの本塁打でオーストラリア出身選手として初のポストシーズン本塁打を記録。2024年に豪州出身では初のメジャー全体1位指名を受け、契約金895万ドル(約14億円)でプロ入りし、今春のWBC台湾戦でも本塁打を打っていました。スティーブン・ボート監督はマルティネス投手の投球について「初回以降は、チェンジアップを徹底的に多用してきたように見えました。初回以降はゾーン内の速球で勝負してきませんでした」と述べ、「あれは『ストップボール』です。なかなか届きません」と評価しています。
勝利投手はレイズのN.マルティネス投手(1勝0敗)、敗戦投手はガーディアンズのD.エスピノ投手(0勝1敗)でした。本塁打はレイズのY.ディアス選手1号(9回表2ラン)、ガーディアンズのT.バザナ選手1号(7回裏ソロ)です。観客数は3万3355人、試合時間は3時間10分でした。2勝2敗のタイとなったことで、第6戦以降を戦う本拠地・セントピーターズバーグでの試合が確定しています。第5戦はガーディアンズのメシック投手が先発予定です。
| チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | 安 | 失 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| レイズ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | 7 | 11 | 0 |
| ガーディアンズ | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 8 | 2 |
チェンジアップ:ストレートと同じ腕の振りで投げる変化球の一種で、球速が遅く、打者のタイミングをずらす効果があります。落ちる軌道を描くことが多いです。
スライダー:横方向に鋭く曲がる変化球です。速球と組み合わせて打者を翻弄します。
この試合で最も印象に残ったのは、ニック・マルティネス投手の投球でした。初回に先制点を許しながらも、以降はガーディアンズ打線をしっかりと抑え込み、6回1死まで試合を作った粘り強さは、ポストシーズンの緊張感の中でこそ光るものだと感じます。7.8度という冷え込む気温の中でも「天候のことなど考えられなかった」と語った本人の言葉からは、大舞台への集中力が伝わってきます。キャッシュ監督が「絶大な信頼を置いている」と繰り返し述べていた通り、チームの中で確固たる地位を築いている様子が伝わってきました。2018年から日本ハムとソフトバンクで経験を積んだ投手として、NPB時代の積み重ねがこうした大舞台で発揮される姿は、野球のつながりを実感させます。チェンジアップで5者連続凡退に抑えた投球術は、まさに彼の持ち味が存分に発揮された結果でしょう。
攻撃面では、カミネロ選手の適時二塁打とアランダ選手の3安打2打点の活躍が流れを変えました。6回の勝ち越し打に続き、7回の追加点を生む場面では重盗も絡め、積極的な走塁が相手守備を乱す結果につながっています。ディアス選手のダメ押し2ランも含め、打線が要所でつながりを見せたことが勝利の要因でしょう。シリーズ序盤に静かだった上位打線が一気に爆発した点は、チームにとって大きな自信になったはずです。一方でガーディアンズのバザナ選手が374フィートの歴史的な本塁打を放った点も見逃せません。若い選手が大舞台で結果を出す姿は、シリーズ全体に新鮮なエネルギーを与えているように思います。
シリーズが2勝2敗のタイに戻り、レイズは本拠地での試合が確定した意義は大きいです。キャッシュ監督がホームのファンの前で良いプレーができると語っていたように、環境の変化が両チームにどのような影響を及ぼすかが次の焦点になります。ボート監督が「ここからは3試合制のシリーズです」と位置づけ、第5戦はメシック投手の先発が予定されている通り、残りの試合は一戦必勝の緊張感が高まるでしょう。投手力を軸にした堅実な野球が続く中で、打撃の爆発力をどれだけ発揮できるかが勝敗を分ける鍵になると考察します。
- レイズがガーディアンズに7対3で勝利し、シリーズを2勝2敗のタイに戻した
- 元NPBのニック・マルティネス投手が6回1死まで2安打1失点の好投で勝利投手に
- カミネロ選手の勝ち越し適時二塁打とアランダ選手の3安打が攻撃の中心
- バザナ選手がオーストラリア出身選手初のポストシーズン本塁打を記録
- 本拠地での試合が確定し、シリーズは新たな局面へ